takecian

Diary

21 Oct 2022

胆嚢を取った

手術で胆嚢を取ったのでその記録。ちょっと長い。健康 is King.

胆石症

始まりは昨年の冬くらい。夜にみぞおち付近の痛みで目が覚めた。痛くて気持ち悪くて嘔吐して、落ち着くまで数時間くらいベッドとトイレを往復した。落ち着いた後寝て、次の日内科を受診した。

医者「位置的には胆嚢とかその辺りなんだよね、胆石あるとか言われたことある?今すぐうちではエコー検査はできないんだけど近々定期健診とかやる予定あればその時診てもらう方が早そう」

内科を受診した次の週に定期健診を予定してたのでそこでエコーで診てもらうことに。

定期健診でエコーをやる時に「先週みぞおち痛くて内科行ったんですけど、エコーやる予定あるならその時胆石ないか診てもらってって言われたんですけど」って言ったら、

担当の人「胆石ですか? takecian さん昨年の定期健診の結果に『胆石あり』ってなってますよ?」

過去の定期健診の結果を見返したら2019年の時点で胆石はあったらしい。知らなかった。ちゃんと定期健診の結果は見た方がいい。そのあと色々調べた。

  • 胆嚢は肝臓が作る胆汁(脂肪を消化する液体)を蓄積しておく臓器
  • 食べ物が十二指腸に入った時に胆嚢が収縮して胆汁を出す
  • 胆石は胆汁が結晶化して石になったもの
  • 肥満や過食、不規則な食生活とかが原因の説がある。
  • 胆嚢内に石があると収縮した時に痛みが出たり、石が胆汁の出口を塞いだりすると胆嚢が腫れたりして大変なことになる

胆石があっても自覚症状がなければ経過観察になるらしい。

手術決定

痛みが出ても今回が最初ならもう少し様子を見ましょう、となったのが昨年末。それから今年の夏にまた夜痛みが出たのでもう胆嚢取りましょうということに。一度胆石ができるようになると胆石だけ取っても再発するから胆嚢ごと取ってしまうらしい(参考)。

大学病院への紹介状を書いてもらって10月に手術をしましょうと予定を立てて、油物を多少控えてたんだけどある夜にまた痛み出して、夜中の3時くらいから朝6時まで吐いたりベッドで唸ったりを繰り返して、結局救急車で手術予定の大学病院に。

人生で初めて救急車に乗った。

奥さんに救急車を呼んでもらったんだけど救急車乗る時にワクチン接種歴やお薬手帳、保険証はあるかの確認とかで出発まで結構時間がかかった。お薬手帳やワクチン接種歴はスマホのアプリで管理しててたので、痛みで苦しんでる時にスマホのロック解除して見せて、とかなり辛かったので今は紙のお薬手帳に切り替えた。

それで結局点滴とかの処置で痛みは落ち着いたので緊急手術にはならず予定通りの手術でいきましょうってことで帰宅して、そのあとは油物はほぼ取らずにうどん、サラダ、脂質の少ない魚の寿司とかの食事で過ごした。

その後何度かその大学病院に行って血液検査やMRI、CTとかの検査をやった。胆石症による痛みの可能性が高いけどもし胆嚢取った後に「あ、違ったわ」ってなるとまずいのでしっかり調べるらしい。MRIやCTをやるのは初めてだった。MRIでは飲む造影剤、CTでは点滴から入れる造影剤を入れて取った。点滴から入れる造影剤は結構勢いよく入れるので「造影剤入れますよ」って腕の点滴から入った時はなぜかおしっこ漏らしたかな、みたいな感覚があった(漏れてなかったよかった)。

一通り検査も終わって、入院の前々日にPCR検査もやって、月曜に入院した。

入院前の案内にいろいろ注意事項があって、

  • ヒゲは剃れ(全身麻酔して手術する時にマスクつけたり顔にテープつける時にヒゲが邪魔)
  • 転倒防止のためサンダルはダメ
  • 限度額認定証使うならもらってきて(勤務先の健保に頼む)
  • 治療費の支払いに関して保証人をつけて(配偶者とか親とか)
  • 病室内のコンセントは医療機器用だから使えないよ(共用スペースのコンセント使って)

入院中はデジタルデトックスするのもいいかなーということで積んだままで読んでない本を持っていくことにした。

結局半分も読まなかった意識高い本

「DIE WITH ZERO」だけ初日に読んだ。

滞在中に使うシャンプーとか洗顔も用意しないといけないのでトラベルキットを買った。入院が終わったら奥さんが使うということでいいやつを買ったらそれを見たある看護師さんが「takecianさん、これはいいやつなんですよー」とか言ってた。

入院・手術

ご飯は入院初日に食べて晩ごはんの後に下剤を飲んだ。手術当日は絶食。朝から水分もNG。

入院2日目。手術用に点滴の針を刺されて、手術前は脱水になったりしないための点滴。午後から手術。

予定時刻になったら看護師さんに連れられて手術室のあるフロアへ移動。この日の朝までは「手術って言っても全身麻酔で意識ないし別に怖くないだろ」って思ってたけど着いてからめっちゃ緊張して吐きそうになってた。手術室のあるフロアの緊張感。手術室の中のこれから始まるって空気。

そんな空気の中自分から手術台に横になる。胆嚢摘出は腹腔鏡手術という方法でやるらしく、数箇所お腹に穴を開ける。おへそのあたりに開けた穴からガスを入れてお腹の中を膨らませてその空間を使って胆嚢が繋がってる血管とか管を切断して摘出するらしい。自分のお腹に穴を開けられるために自分から台に登る。

手術台って上半身裸で横になるからか床暖房みたいになってた。横になってから酸素マスクをつけられて名前の確認、どんな手術を受けるかの確認、全身麻酔に同意しているかの確認。その後医師の人の手術内容の確認、麻酔担当の人の準備の確認・・麻酔が効き出したのかここから先の意識はない。

「・・しっかり呼吸してください!・・大きく吸ってください!」

普通の睡眠から起こされてるような感覚で意識が少し戻ると挿管されてた何かが抜かれてるような気がした。そこからとにかく深呼吸してると下腹部あたりに重い筋肉痛のような痛み。場所はまだ手術台の上。

「無事終わりましたよ」と告げられそこからストレッチャーに移され HCU(準集中治療室)へ。

ここで術後の感染症とかを防ぐために抗生物質の点滴とかやった(らしい)。それと術後のせん妄が起こってないかのチェックとか(自分の名前が言えるかとか、今日の日付、この病院の名前を言えるかとか聞かれた)。

少ししてからおしっこを通す管を付けられてることに気づいた。全身麻酔の時に付けられたらしい。この管を付けられるのが初めてだったんだけど、この管をつけるとおしっこは膀胱から管を通って垂れ流しになるらしい、自分の意思とは関係なく流れててちょっと怖くなった。管の先のおしっこを貯める袋がベッドの下の方にあってどのくらい出てるのか自分では分からなかった。

次の日になって抗生物質の点滴も終わって一般病棟に戻れることに。ここで管も抜いてもらった(痛かった)。まだ点滴は繋がってる。

手術後からこの時点までお風呂(シャワー)に行ってない。おしっこの管がついてるからそもそも歩くのも大変という状況。入院した大学病院はフランスベッドが1日450円で病衣やタオル、おしぼりを使えるサービスをやってたのでそれを申し込んでおしぼりで体を拭いたりした。涼しい季節でよかった。

手術の次の日のお昼から一般常食という普通のご飯を食べていいらしくて驚いた&喜んだ。最初はお粥みたいなものかなと思ってたので。

この時点でまだ下腹部に重めの筋肉痛みたいな状況。それと発熱。看護師によると手術後に発熱するケースが結構あるらしい。ただこれが今の時期では厄介で、万が一コロナによる発熱だとすると困るので追加でPCR検査。

術後2日目に点滴の針も取れて自由の身になったので手術前日以来のシャワー。でもお腹が痛いのでなかなか大変。

でもここまで来ればあとは回復するだけということなので歩くリハビリと、しっかりご飯を食べるというのをひたすら繰り返す。

入院病棟は22時就寝、6時起床のサイクルなようで自然と早寝早起きに。

まだ下腹部の痛みは残ってるけど腹筋に力を入れる動作をしなければ痛みはない状況まで回復したので順調と判断され予定通り金曜日に退院。

退院になったけどまだ全然入院前の状態には戻ってなくて、走るなんてできないし起き上がるのもできるだけ腹筋を使わないように意識した動きになってる。体を反るような姿勢なんて絶対できない、そんな状態。

ここから数日-数週間かけて体を元に戻すという作業をやらねばならないんだろうけど夜に痛みで目が覚めるかもという不安がなくなったのは嬉しい。

変わる意識

胆石の原因はいろいろあるという話だけどこれまでの人生の中でやってきた過食・不規則な食生活が原因の可能性という話を聞くと心当たりあるなーという感想しかない。わずか5日間の入院だったけど人生初の手術というのは食事について見つめ直す十分なインパクトがあった出来事だった。手術めっちゃ大変、準備も術後の回復も。

手術直後にハガレンぽく「ちくしょう・・(胆嚢を)持っていかれたー」的な事を言おうと思ってたんだけど全然そんな余裕はなくて。無事退院できて何よりという気持ち。医療関係者には頭が上がらないという思いを入院中ずっと持ってた。仕事とはいえあんなに忙しい中人の命を預かる仕事をやるというのはすごい。

世間では30代は中年と思われることが多いけど病院の中では「まだ若いですから」というのをよく言われた。医療の世界ではまだ若いらしい、つまりその若さでカバーしてるものがまだありそう。ここで食生活を改善しないとこれから年を重ねた後にツケを払うことになりそうな気がした。

何でもかんでもオーガニックっていう人がいたりするというのを聞いたことがあるけど、こういう経験からのめり込んだりしたんだろうか。僕はこれからもマックを食べるだろうけど、夜ご飯の量を少し控えめにしたりもっと運動をするとかして元気に死ねるように頑張ろうと思う。

取れた胆石